マスタリングについて 

サンレコ4月号の中田ヤスタカのインタビューを興味深く読んだのですが、
特に、マスタリングに関しての彼の見解は僕も普段からわりと考えていた
ことだったので、プロでもこういう人がいるんだな、と意外でした。

 中田ヤスタカ 「まあマスタリングは音を変えない前提でやっているんですよ。
  マスタリングを考えてミックスするのって間違っていると思うし、何のための
  マスタリングなのかってことですよ。  (中略)
  マスタリングは、曲を並べたときに”ちょっとこの曲の音量だけでかい”っていう
  部分だけ直すものであってほしいんです。曲を並べて、曲間を決めるだけの
  作業が本来のマスタリングだと思うんです。だから、僕もそういう方式で
  マスタリングを行っています。」

僕自身も以前から2ミックスの音を大幅にいじるということはなんか嫌だなと
思っていて、実際ここ数年で公開してきた曲は所謂プリマスタリング的な作業は
何もしていません。
現時点で公開しているのは1曲だけですが、その曲ももちろんしていません。

だからといって、僕の曲の仕上がりがいいかどうかは単に僕の実力の問題
ですので、聴いて「ダメじゃねえか」とかいろいろ云わないでほしいのですが(笑)、
でも理屈としては中田さんの意見と同じです。
たぶんプロの方では珍しい考え方のような気もしますけども。
「マスタリング大事!」って感じですもんね、雑誌読んでると。


個人的には「マスタリングを見越したミックス作業」ってなんか不健全な感じで。
ミックスって「曲を完成させる作業」のことだと思うから、「マスタリングで完成」
って云われてもなんだかなと。
中田さんはマスタリングソフトにWAVELABを使っているそうですが、曰く、
「WAVELAB上で何かをやるのは最終手段というか、ほとんどやらない」。

僕が気になるのは、サンレコのインタビューとかでよくありがちな、
「マスタリングですごくよくなった」的な発言です。
これは一体何だ?と僕は思うわけです。
つまり、マスタリングで音が大幅に変わってしまうのなら、ミックス作業は
何だったんだ?と。
そこらへんがいつも腑に落ちない。
というか、ミックスを担当したエンジニアはそういう発言をどう思ってるんだろうか。


ミックスが完璧であれば、マスタリングで音をいじる必要はないはずです。
マスタリングで音が変わるということは、ミックスしたエンジニアとマスタリングをした
エンジニアの楽曲に対する解釈が違うということを意味しますから、むしろミックスは
完璧だったにもかかわらず音をいじられた、という可能性も非常に高いです。
実際、そういう発言を何度か雑誌や本で目にしたことがあります。
つまり、マスタリングに出して全然ダメな音にされた、という発言も結構ある。

これらの事実を考えてみると、少なくとも僕ら宅録ミュージシャンにとっては、
とにかくミックスさえ完璧にしておけば、それで自分が満足できるレベルまで
作りこんであるならば、プリマスタリングでの音の変化は不要ではないか。

なにせ2ミックスを修正したくなったのであれば、僕らはミックスに戻れるわけです、
宅録なんだから(笑)。
2ミックスをいじるより、ミックスに戻ったほうがピンポイントで修正できるわけですから、 そのほうがいいでしょう。
(中田さんがマスタリングを重視していないのも、考えてみれば、彼がミックスも
マスタリングも両方やっているからです。)

作業の性質を考えても、ミックスは上手いけどマスタリングは下手、なんてことが
あるはずもなく、ミックスが上手いなら、マスタリングをやらせたって当然上手い
に決まっている。
だから結局、僕らはミックスの腕を上げればいいんです。




今月号のサウンドデザイナーで、ブンブンサテライツの人が「WINよりMAC
のほうが音がいい」と断言してますね。
最新のレコーディングではDAWソフトはそのままに、パソコンだけWINから
MACに換えたのだそうです。

MACにしただけで音がいいのなら、前回のコラムのようなDAWソフト比較
なんかもあまり意味がなくなるかもしれません。
とりあえず僕も次にPCを買い替える機会があれば、MACにしようと思います(笑)。
一応そこらへんは確認したいですね、こういうサイトをやってるくらいなので。




次回のコラムも、マスタリングについて書こうと思っています。


(2010.5.13)


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