次世代音楽サービスと音楽業界(1) 

音楽サービスはいわゆる「クラウド型」のストリーミング配信に移行していく、
ということが言われ始めています。欧州では、スウェーデンのSpotify
というストリーミングサービスがかなり普及しているようですし、Amazonも
なんだか微妙なクラウド型サービスを開始しました。
今後、Apple と Google も参戦してくることでしょう。

という状況は、現時点では海外のものでして、しかもまだアメリカでは
しっかり稼動し始めているわけではないですから、実際に世界がどういう
方向に行くのかはわかりません。
ただ、個人的には、次にどんなビジネスモデルが現れようと、音楽業界
自体が縮小していくことは避けられないと思っていて、なので、本当は、
次世代音楽サービスなんて、なんでもいいんじゃないか、という感じが
しなくもない。

CD不況だと言われ続けていますが、たぶん日本は世界一CDが売れて
いる国だと思います。なので音楽業界を責めてもしょうがないというか、
CDが売れない状況は世界的なものです。世界的に、年々CDの売り上げ
は落ちている。

理由は端的に「ネット」だと思います。
ネットの普及により、
(1)音楽を聴く人自体が減り
(2)聴く人もYouTubeで済ませている
日本の場合はレンタルもありますね。

もう少し丁寧に説明すると、それまですることがなくてなんとなく音楽を
聴いていたような時間はSNSやツイッター、メールに奪われ、趣味は
多様化・細分化し、ちょっと音楽聴きたいなくらいならYouTubeでいくら
でも聴ける、という状況だということです。

では、次世代音楽サービスがこれらを解消できるでしょうか?
無理ですよね。(´・_・`)
考えるまでもありません。

どんなサービスを持ってこようが、まずは音楽への関心そのものが薄れ
ているのであれば無意味ですし、特に日本は、今後、総人口が減り続ける
ことになるので、確実に音楽を消費する人口も減ります。

また、音楽好きな人がクラウド型ストリーミング配信に金を払うように
なった場合、 たぶん、それ以前より、かえって音楽に落とされる総額は
減るでしょう。
ストリーミング配信よりパッケージの方が「ずっと高く売れる」からです。
だから本当はCDを買ってもらったほうがよい。
というか、まだダウンロード販売の方がストリーミングよりは高く売れる
のではないか。

つまり、音楽業界にとって本当に必要なのは、新しいサービスではなく、
「音楽リスナーの絶対数を増やすこと」なのです。
サービスの形態とか関係無いんです。
あとはやはり、景気回復でしょうか。
お金があればCD買う、という人も確実に存在するはずなので。

ただ、娯楽の多様化による可処分時間の減少と急激な人口減により、
「音楽リスナーの絶対数を増やすこと」はほぼ不可能。というか、むしろ
激減する可能性すらある。ならばと、一人当たりの消費量を増やそうにも、
今の日本人にはそこまでの経済的余裕はまったくありません。

このことは電子書籍についてだって同じです。本を読む人の絶対数が
減少しているのだから、紙だろうがデジタルだろうが関係なく読まれない
に決まってます。
大事なことは、「読者を増やすこと」で、メディアの優劣ではありません。
しかし、それは、たぶんもう無理なんです。(つづく)

(2011.7.29)

→ 次世代音楽サービスと音楽業界(2)

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