次世代音楽サービスと音楽業界(3) 

このテーマで3回目ですが、えー、この話は一体どこへ向かって
いるのでしょうか。
書いてる本人にすら、あまりよくわかっていません。が、書く。


これまでの内容を少しまとめると、

(1)今後音楽を聴く人口は増えないし、聴く時間も増えない
(2)音楽周辺で大きな金額は動かなくなる

という感じでしょうか。

これから音楽は、そもそも大きな組織でのビジネスには
向かない商品に なっていくことが予想されます。
というか、今や誰もが直感していることです。

また、あらゆるデジタルコンテンツは無料になる、とも言われています。
僕はその言説をはじめて聞いたとき「そんなバカな」と笑っていたのですが、
今現在、どう考えても現実味を帯びてきてしまっています。
少なくとも、人々の感覚的に「音楽を聴くのはタダ」という意識が
一般的になりつつある。そして実際にタダで聴けてしまう。

僕自身も、やっぱりそういう感覚はあって、たとえば僕は、テレビを
ほとんど観ないかわりにラジオを聴くんですね。主にFMを聴くのですが、
そうすると、ラジオってずっと音楽がかかっているんですよ。
音楽がタダなのは当たり前なんです、ラジオ聴いてる人間からすると。
で、その延長線上にYouTubeはある。というか、僕はそんな認識です。

レコード業界は、違法アップロードをずっと問題視し続けていますが、
時代の方向としては、わりと近い未来には、実質合法と見なされる
ようになるに決まっています。
むしろ著作権の存在意義を疑問視されるようになるでしょう。
それは自然な流れとして、作り手は受け入れるほかないと思います。
単に著作権という考え方が時代にそぐわなくなった、耐用年数が切れた
ということです。
でも、そうなると、音楽コンテンツビジネスなんてもう成り立たない。

こういった状況のもと、次世代音楽サービスが来るわけですが、 これはもう
確実にネット配信ですから、前回も述べたように、経済はより縮小します。
有料配信がまったく普及していない現在でも市場規模はピークの半分ほど
にまで縮小しているそうですが、今後配信が主流になった場合、この程度で
済むとはとても思えません。
レコード会社は、否応無く、組織の大幅なスリム化を余儀無くされるでしょう。


これは、すでに撤退戦であって、楽曲販売をメインに据えたビジネスは、
いずれ、さほど遠くない将来において、行き詰まるだろうと考えられます。

たとえば、ストリーミング配信の利点はいうまでもなく「コピーできない」ことに
尽きるのですが、それはあくまで「CDを全廃すれば」という条件付きです。
CDを併売する以上、必ずコピーは出回ります。しかし、日本のレコード会社が
CDの販売をやめることはおよそ考えられない。
ということは、ストリーミング配信すらも違法アップロード対策にはならない
ということです。

あと、違法アップロードに関して言うと、アップロードされている側の人間も
絶対にYouTubeやニコニコ動画で違法コンテンツを観てるはずなんです。
その割合は、100%と言っていいんじゃないでしょうか。
だとすると、違法アップロード云々という言説は詭弁だとしか言いようがない。
この問題に対する人々の選択は、すでに決しているのです。



ということで、これまでの話を一言でまとめます。
次世代音楽サービスはレコード会社を救わない、ということです。

僕はメジャーレコード会社の多くはなくなると予感していますが、
生き残るとしたら、根本的なビジネスモデルの転換が必要となるでしょう。
もちろん、レコード会社には過去の遺産が膨大にあるので、それらをうまく
活用することは大事ですが、商売としては、新しいコンテンツが出てこな
ければ、持続性が期待できません。

しかし、これから登場する、新しい才能ある音楽家たちは、もはや、
わざわざメジャーデビューを選んだりしないのではないでしょうか。
個人的には、才能がある音楽家ほど、インディーズで、自前の論理で
活動する ようになっていくだろうと考えています。(つづく)

(2011.7.31)

→ 次世代音楽サービスと音楽業界(4)


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