次世代音楽文化はアマチュアのもの(1) 

前回まで4回にわたって、音楽業界の暗い未来を予想してみたのですが、
じゃあ、音楽文化自体はどうなるの?というところがありますよね。
個人的には、「アマチュアの時代」 が来ると思っています。 というか、もう
ほとんどそれは達成されかけていますけども。

このネット社会において、結局、プロは何も得してないんです。
それははっきりしていると思います。得をしたのはアマチュアだけ。
たとえば、ネット以前は、音楽を広く聴いてもらうにはプロになるしか
なかった。 それがプロの最大の特権だったわけです。

しかし現在は、誰でも簡単にオリジナル曲を無料でネット公開できます。
しかも、うまくやればプロ以上に多くの人に聴いてもらうことも可能です。
そしてリスナーとも、いとも簡単にコミュニケーションを楽しめてしまう。
作曲だって、今は楽器が弾けなくても出来ますから。
そりゃ皆音楽を作り始めますよね。敷居がものすごく下がっている。

この数年、音楽リスナーは確実に減少したと思われますが、作り手は
むしろ激増しているはずです。 そしてアマチュアの音楽家たちは、
アマチュア同士で互いに曲を聴き合って、 勝手に遊んでいる。
仲良くなった人の自主制作CDを買って感想を述べ合ったり。

これは楽しいですね、いうまでもなく。
で、それで満足なんです、普通の人は。
大部分の人は、そこで、「音楽で食っていこう」などと考えない。
だって、別に食わなくてもいいわけです。
多少なりとも音楽家として認知されたり評価されたり、音楽友達が
増えたりすれば、それで十分楽しいし満足できる。
プロを目指すなんて、かえって悲惨な人生を招きかねません。

今はニコニコ動画でボーカロイドの音楽が花盛りですが、
大半の作者はあれで 食っていけるわけではない。
でも単純に楽しいし、それで生活が充実するということでしょう。
それでいいわけですね。

今や音楽という趣味は、単に「聴くもの」から、「作るもの」になったのかも
しれません。 音楽が好きになった人は、聴くだけでなく、自分で作る時代。
むしろ、聴くことより作ることに日々忙しかったり。

むろん、野望を持って活動している人も多くいますし、あくまで割合の
話ですが、 ただ少なくとも、現代において、音楽を作ることが特別なこと
ではなくなった、というのは 間違いないでしょう。

僕自身、メジャーもインディーズもアマチュアも、最早まったく区別は
していません。 それぞれ好きなものは好きだし、関心がないものはない、
というだけです。

逆にいえば、今の時代、プロはそういうアマチュアたちと
同じ土俵で 戦っていかなくてはならない。
結局のところ、耳(=可処分時間)の奪い合いですから。
そこにはプロもアマもありません。
しかも敵の音楽は無料だったりします(笑)。
はてさて、そこにはどんな未来があるのでしょうか。(つづく)

(2011.8.28)

→ 次世代音楽文化はアマチュアのもの(2)


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